The MIT Media Lab Innovation Leadership Program in Tokyo 2022
Date and time
Location
Deloitte Tohmatsu Event Space (Shin-Tokyo Building 8th Floor)
3-3-1 Marunouchi
Chiyoda City, Tokyo 100-0005
Japan
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“Be Artistic and Analytic” 「未来の働き方:ビジョン力とデータ分析力による独創性と生産性の実現」デロイトトーマツグループ さまのご協力のもと、MIT Media Lab の 石井 裕 教授 と Humanyze の Ben Waber 博士が登壇予定
About this event
“Be Artistic and Analytic”
未来の働き方:ビジョン力とデータ分析力による独創性と生産性の実現
MIT Media Lab の Innovation Leadership Program の第一弾として、デロイトトーマツグループ さまのご協力のもと、石井 裕 教授、そして Media Lab の卒業生であり、Humanyze の President & Co-Founder の Ben Waber 博士が登壇予定
【本セッションは日本語で開催いたします】
Time Schedule:
8:30 | 開場、チェックイン
9:00-9:05 | メディアラボ、及びデロイト トーマツグループ さまより開会のご挨拶
9:05-9:50 | 石井裕教授のセッション【ビジョン・ドリブン】
「あなたの組織のビジョンは? そのビジョンは進化しますか?」
9:50-10:00 | 休憩
10:00-11:30 | ベン・ウェイバー博士のセッション【データ・ドリブン】
「組織文化革命:次世代ピープルアナリティクス」
11:30-12:00 | 石井裕教授とベン・ウェイバー博士によるパネルディスカッション
12:00-13:00 | ネットワーキング・ランチ
セッション概要と登壇者の紹介
ビジョン・ドリブン(石井裕)
「あなたの組織のビジョンは? そのビジョンは進化しますか?」
ビジョンを創り出す力は、イノベーションを起こす最も大切なエンジンです。そして、企業が100年以上存続し続けるためには、小さな変化の波に翻弄されずに、本質的・長期的な価値体系の変化の波を人より早くキャッチし、それに応じてビジョンを進化させ続ける力が不可欠になります。かつて「大艦巨砲主義」、「品質至上主義」、「技術機能至上主義」で戦った過去の勝ち戦の記憶は、世界の価値観が大きく変化する現在・未来の戦いの戦略立案の妨げにしかなりません。「所有から共有へ」、「重装備ハードインフラから、高機動性パーソナルツールへ」、「局所最適化からグローバル・エコシステムのコ・デザイン (Co-Design) へ」、「収益至上主義から環境・社会・倫理への価値重心移動」など、いま世界を揺るがせている価値体系の激変に抵抗、あるいは後から追随するのではなく、三歩先を行って、新い変革の起爆剤になるようなビジョンを仕掛けていくことが、百年企業の「リーダー」の生き残りの条件だと信じます。
不確実性の高い時代に生きる私たちは、ともすると膨大な時間をかけて10年先の社会や業界の状況を予測し、近未来地図(中長期事業計画)を描こうとします。しかし、社会を激変させたコロナ禍、あるいは古いビジョン(例:メタバース)に翻弄されている間に、今日想像できる予定調和的近未来像は、明後日には陳腐化してしまいます。ビジョンとは、単なる未来予想図ではありません。自分自身の確固たる価値観の視座をベースに、あるべき社会と自分の組織の存在理由を模索しながら、実現させたい新世界の方向性を結晶化させ、世界にアピールするものです。それは地図ではなく羅針盤です。
本セミナーでは、ビジョン・ドリブン (Vision-Driven) なアプローチを、私の過去30年間の HCI (Human-Computer Interaction) の研究世界での実践をベースに、「タンジブル・ビッツ(Tangible Bits)」、そして「ラディカル・アトムズ(Radical Atoms)」へと発展した、Vision駆動形研究の進化の軌跡をお話しします。さらに「テレ・プレゼンス (TelePresense) 」から「テレ・アブセンス (TeleAbsense)」へと進化しつつある最新の私のビジョン・ドリブン研究についてもご紹介してします。そして最近巷で盛り上がっている「メタバース」を素材に批判的に分析し、”Yesterday’s Tomorrow” では無い本質的なビジョンを、人間の本質に根ざして考えるアプローチを、皆様と一緒に考えたいと存じます。
登壇者の紹介:石井 裕 (いしい ひろし) 教授
MITメディアラボ副所長、タンジブル・メディア・グループ・ディレクター、Jerome B. Wiesner Professor of Media Arts and Sciences.
1956年東京生まれ。1978年北海道大学工学部卒業、1980年同大学院情報工学専攻修士課程修了、日本電信電話公社(現NTT)入社。1988年~94年 NTTヒューマンインタフェース研究所において、リモートコラボレーション技術の研究に従事、TeamWrokStation および ClearBoard を発明。1992年北大から博士号取得。1995年MITから准教授に招聘される。1995年10月MITメディアラボにおいてタンジブルメディアグループを創設、直接操作・感知可能なタンジブルユーザインタフェース Tangible Bits の研究を開始。2010年からは、ディジタルコンピューテーションにより動的に形状と物理性質が動的に変化する未来のマテリアル、 Radical Atoms の研究を創始。
2001年MITからテニュア(終身在職権)を授与される。2006年 ACM SIGCHIよりCHI Academyを受賞、2010年 船井業績賞受賞、2014年 inFORM が Fast Company Innovation by Design Award 他受賞、2015年作品 TRANSFORM が Platinum A’Design Award 他受賞、2016年には作品 bioLogic が Platinum A’Design Award 他受賞、Fast Company Innovation by Design Award 他受賞。2019 年には、ACM SIGCHI Life Time Research Award (生涯研究賞)を受賞。
氏の仕事は、サイエンス:HCI(Human-Computer Interaction)& CSCW(Computer Supported Cooperative Work)、デザイン、メディア・アートの研究分野で広く知られ、ACM CHI、CSCW、UIST、TEI、SIGGRAPH、Multimedia、Interact、ECSCW など数多くの国際会議、及び Cooper Hewitt Design Museum, Milan Design Week, Cannes Lions Festival, Aspen Ideas Festival, IDSA, ICSID, AIGA, Ars Electronica Center, NTT InterCommunication Center (ICC), Centre Pompidou, Victoria and Albert Museum, Venice Biennale, Art Futura, 熊本市現代美術館などで、発表展示を行ってきた。
データ・ドリブン(Ben Waber)
組織文化革命:次世代ピープルアナリティクス
私達の日々の仕事に関するデータ分析は、仕事の管理方法を劇的に改善し、重要な成果につながる行動パターンを特定し、組織の改善を迅速に推進する機会を与えてくれます。電子メール、チャット、会議、業務関連システム、そしてセンサーデータが、かつてない詳細かつ正確な業務に関する洞察を、可能にしてくれます。このピープル・アナリティクスの技術的アプローチは、従来の主観的アプローチに比べ、数段優れた分析と洞察を可能にし、強力なビジネス変革を起こす鍵を握ります。
最近、ピープル・アナリティクスが広く採用され、この分野の実務家、専門家、売り手のコミュニティが拡大しており、あらゆる規模の組織に高品質のインサイトを提供することが可能になりつつあります。そして次のステージでは、これらの洞察を効果的に利用するために、組織マネジメントの文化を変える必要があります。これには、意思決定のテスト、迅速な失敗、複数のイニシアチブの同時試行、過去の前提の絶え間ない問いかけが含まれます。
成功したリーダーでさえも、大多数の人は、自分の成功は正しい決断をしたことによるところが大きいと思い込んでいるからですが、この考え方は根本的に間違っています。多くの人が認めたくないほど、成功は運と外的要因によってもたらされているのです。このような誤った考えを払拭するためには、自分自身や仕事についての考え方、マネジメントの方法、成功の定義などを再定義する必要があります。
次代ピープル・アナリティクス戦略は、やみくもにアルゴリズムを使って意思決定するわけではありません。一般的にAIは過大評価されており、これらのアルゴリズムの本質を徹底的に調べて、マネジメントに提供した場合の限界や倫理的課題を理解する必要があります。また、これらの経営的判断は非常に影響力が大きく、文脈に依存するため、このような状況に盲目的に適用されるアルゴリズムは、恐ろしいほど偏った判断を下すだけでなく、組織全体にとって誤った判断を下すことにもなるでしょう。私たちは次世代のピープル・アナリティクス実践者の育成と同時に、次の時代の仕事がこれまでの仕事革命よりも革新的で、公平となるよう、社会全体の幅広いステークホルダー達を育成しなしなければなりません。
このセミナーでは、これらの課題を深く掘り下げ、参加者の皆さんとの対話を通じて、ピープル・アナリティクスと、私たちのキャリアの新しい道筋を創りたいと考えています。
登壇者の紹介:Ben Waber (ベン・ウェイバー) 博士
ベン・ウェイバー博士はピープルアナリティクス、コラボレーション、マネジメントなどに全世界で評価されているエキスパートです。会社のコラボレーションデータを分析して経営週報を改革するソフトを提供して世界で最多組織コラボレーションデータセットを持っているHumanyze社のプレジデント兼創業者です。ウェイバー博士は日本ピープルアナリティクスとHRテクノロジー協会の名誉会長でアクセンチュアのテクノロジーアドバイザー役員です。かつてウェイバー博士はハーバード・ビジネススクールの主任研究員でMITメディアラボから博士号を獲得しました。彼はニューヨークタイムズ、CNN、ウォールストリートジャーナル、日経新聞などに指摘されて、研究と論文はハバードビジネスレビューのブレークスルーアイデア賞とMITテクノロジーレビューのベスト10新興技術賞を獲得しました。ウェイバー博士は世界ベストセラー「職場の人間科学」の作家です。